『担々麺』800円
『馬賊つけ麺』1,100円
『五目チャンポン』1,100円
『手打餃子』500円
かれこれ十年くらいはここに通っているだろうか。初めて食べた時から、この店のモチモチとした麺が病み付きになってしまっているのだ。バンッ!バンッ!と麺を叩きつける音が響き渡る。麺は切るのではなく、包丁を使わずに伸ばしていく独特の製法がこの店の麺を支えている。
久しぶりに訪れると、「バジョツュケ~」の掛け声が勇ましいオバサンの姿が無いのがさびしい。誰もが横柄、傲慢といった印象を受けるだろうが、実はとても良く気を使ってくれる優しい人なのだ。代わりに見掛けない顔のオジサンが手際よく店を仕切っている。
さて、今更ながら『担々麺』がこの店で人気だということを知った。おそらくこれが初めての注文だ。スープには辛みのあるゴマが浮いている。ひき肉の他にはネギと青菜というシンプルなものだ。スープを一口飲むと、どこかで食べたような味が…。この店の『馬賊つけ麺』を薄めたようで、残念ながらやや物足りなく感じてしまった。
そして、自分の中での定番の『馬賊つけ麺』だ。麺の上にチャーシュー、メンマ、ワカメ、白髪ネギ、モヤシの具が乗る。一時期は少なくなっていた量が元に戻っているようだ。つけ汁はゴマ風味が増して更に濃厚になったように感じた。やはり、ここでは『馬賊つけ麺』に限る。他のメニューも良いのだが、ずば抜けて美味しい。
これまた初挑戦の『五目チャンポン』は、高価な値段もあってかなり期待をしてしまった。一般的なチャンポンとは全く異なるもので、醤油味のあんかけが乗った広東麺のようなものなのだ。チャンポンには定番の魚介類や豚肉は入っているが、いわゆる中華丼のような餡だと言えば分りやすいだろうか。オリジナルな味わいなのでネーミングを変えればいいのにと、余計な心配をしてしまった。
この店の隠れた逸品は『手打餃子』なのだ。麺と同じようにモチモチとした皮が決め手で、具も肉と野菜のバランスが良い。これだけでも満足出来そうな大きさだ。一口では食べ切れないから箸で半分にするのだが、この時に溢れる肉汁が何とも勿体ないと何時も思ってしまう。作り置きを持ってきたのではないかと思うくらいの時もあって出来不出来にバラつきがあるが、今日の餃子は大変に美味しく食べられた。
今時のラーメン専門店とは一線を画す、流行り廃りのない味わいがこの店の持ち味。もう少し味や量が安定してくれると嬉しいのだが、そんなことも許せてしまう美味しさと雰囲気がとても心地いい。
日暮里・中国手打拉麺「馬賊」ばぞく
東京都荒川区西日暮里2-18-2
03-3805-2430
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